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放射線の測定1

放射線の計測でもっとも古いのは写真乾板でしょう。
放射線が写真乾板に当たって感光するという比較的単純な原理です。
しかし、これは放射線の個数は数えられても、エネルギーはわかりません。

現在の計測器につながる放射線測定装置の起源は霧箱でしょうか。
19世紀末にイギリスのC.T.R.ウィルソンが開発しました。
内部に水蒸気を充満させておきます。
そこに粒子が通過すると、水蒸気が小さな水の粒となるので、
粒子の軌跡を霧の粒として見ることができます。

これをより精密にしたものが泡箱です。
これは霧箱とは逆に、粒子の通ったところの液体が気化して粒子の軌跡に泡ができます。

(余談ですが、泡箱を開発した物理学者ドナルド・グレイザーは、
後に分子生物学を研究し、シータス社というバイテク企業を創設しました。
DNAを増幅するPCR法という画期的な手法を開発したキャリー・マリスは
開発当時シータス社にいました)

泡箱や霧箱は写真乾板と違って、軌跡からエネルギーがどのくらいかを推測でき、
さらに電圧をかければ、粒子のもつ電荷がプラスかマイナスか、
電荷と質量の比がどのくらいかを粒子の曲がり方から突き止めることができます。

霧箱や泡箱は現在はほとんど用いられていません。
しかし、放射線が他の物質(おもに気体)にエネルギーを与えることを利用して
放射線の数やエネルギーを測定しようということでは現在の測定器と共通しています。

霧箱・泡箱に代わって現在、放射線測定でしばしば利用されるのは、原子の「電離」を利用する測定器です。
放射線が原子にぶつかると、そのエネルギーによって電子がとび出し、
プラスのイオン(原子から1~数個の電子がはぎとられたもの)が生じます。
そこで、これらのイオン(電子も含めて)が生み出す電流を測定しようというものです。

電離箱や比例計数管、ガイガーカウンター(ガイガー=ミュラーカウンター。しばしばGMと略されます)は
いずれもこの現象を利用します。
ガンマ線測定に不可欠な半導体検出器も、原理的にはこれらと近いといえます。

さて、アルファ線は短い距離で多数の原子に電離を起こすことができますが、
ベータ線が起こす電離の数はアルファ線に比べて少なく、
ガンマ線は数パーセントともいわれています。
これでピンとくる人もいるかもしれませんが、電離現象を利用する測定では
ガンマ線の数は正確には計測できないということになりますね。

では、電離箱、比例計数管、ガイガーの違いは何か。
それは次回(っていつ?)

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Comment[この記事へのコメント]

拍手! 

  • Ladybird 
  • URL 
  • at 2011.04.27 02:00 
  • [編集]
 明快な解説ありがとうございます.
 何度もあちこちで書きましたが,マスコミも政府も測定方法をブラックボックスにしたまま,何シーベルトだから危険だ安全だと議論しています.方法なんてブラックボックスで構わないんだという発想をする人が大多数で,だから日本人は科学リテラシーが低いのだと思います.
 次回も期待しています.

Re: 拍手! 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2011.04.28 23:35 
  • [編集]
Ladybirdさん

ありがとうございます。
ただ安全安全と言われても、何だかわかりませんよね。
今日のニュースでも、郡山で校庭からはぎとった土を処理場に置く件が
問題になっていたようです。きちんと管理すれば
周辺への影響はないように思いますが、
担当者がそれを説明せず、放射線量が少ないから安全だと思った、
と言ってしまうところに問題がありますよね。

遊びに出かけたりするので、次回は連休が明けたら、かなー

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