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とりあえず日常かな

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人間が守ってはいけない自然

野付半島

先日、トリインフルエンザに感染した白鳥が見つかった野付半島は、
幻想的と言ってもよいような美しさを備えている。

北海道の東、知床半島と根室半島の間にフック船長の鉤の手のように細く伸びている。
長さは28km、幅はもっとも狭いところで200m程度(?)にすぎないという。

この奇妙な地形は「砂嘴(さし)」と呼ばれる。
沿岸を流れる潮流によって運ばれた砂礫が堆積し、生まれた地形である。
英語ではspitで、英語版ウィキによれば、
湾の先端の岬のような場所に発達するという。

(少しくわしく説明している方のページを発見したのでリンクしておこう。
http://terra.sgu.ac.jp/geo_essay/2006/18.html

野付半島には大きな干潟があり、ラムサール条約にも登録される野鳥の楽園となっている。
私たちが以前、夏に訪れたときには、スズガモやキアシシギその他もろもろに会うことができた。

キアシシギ


もっとも人間の目を奪う光景はナラワラやトドワラだろう。
ミズナラをはじめとする森林が江戸時代中期に始まった地盤沈下によって浸水し、立ち枯れた。
その白骨のようにも見える林がナラワラである。
他方、トドマツなどが立ち枯れ、多数の切り株が立ち並ぶ場所がトドワラだ。

野付半島は自然によって(比較的)短い時間に生み出された半島であり、
刻々と姿を変えていく半島でもある。
もしかすると、いずれ消えゆくのかもしれない。

砂嘴は堆積とともに浸食もされていく。
いま、野付半島は浸食の方が早いらしい。
さらに、最近の三角測量で野付半島は前回(いつ?)の測量から
約1~1.3m沈下していることがわかったという。

沈下の原因として、野付半島がオホーツクプレートと太平洋プレートの境界部にあり、
沈み込みが起こっているためだ、と見る専門家がいる。
(大きな地震で戻るはずだが、前回の釧路沖地震などでは戻らなかった)
とすれば、もし地震でプレートがはねかえったとしても、その衝撃で
野付半島自体が壊れてしまうかもしれない。

私は、野付半島がいつまでも存在していてほしいと切に願う。
と同時に、これは決して人間が守ってはならない自然だとも思うのだ。
人間が土砂を持ち込んだり、コンクリートで固めたりしてはならない。

野付半島の本質は変化であって、変化しない野付半島は
もはやその本質を失っているのだから。

☆自然環境と人間の問題については、ぜひLadybirdさんのところへどーぞ!
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Comment[この記事へのコメント]

変化する自然 

  • Ladybird 
  • URL 
  • at 2008.05.13 02:14 
  • [編集]
 わわわっ.あぶり出されてしまった.
 人はしばしば「今のままの自然」が持続することを願うものですね.
 しかし自然はしばしば変化するものだったりする.池は沼になり陸地化するし,草原から陽樹林を経て陰樹林へという遷移もあります.
 山火事や洪水もまた,自然の循環の一部をなす事象であったりするわけです.困ったものです.

えへへー^^ 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.05.13 21:58 
  • [編集]
いつか紹介させてもらお、っと思っておりまして。

>「今のままの自然」
そうですね。私もつい“いまのまま”を望んでいることに気づき、反省することがよくあります。

>山火事や洪水もまた,自然の循環の一部をなす事象

山火事によって海に栄養素が流れ込み、また山では新しい植生が生まれるのですよね。
大気中の酸素濃度が高くなると、山火事が起こりやすくなる、という話も聞いたことがあります。
これも循環、というかホメオスタシスの一種ですね。

それによって貴重な植物が燃えてしまうとしても、
人間が無理に自然を守ろうとすることは、自然のバランスを崩したり、
次に現れるはずの生態系の出現を妨げることになるんだなあ、と思うようになりました。

でも、なかなか達観できないなあ^^;

自然災害 

  • Ladybird 
  • URL 
  • at 2008.05.15 03:30 
  • [編集]
 ご紹介ありがとうございます.
 ある種の植物の種子は,山火事を経験しなければほとんど発芽しない,などという例もあるそうですから,自然現象としての山火事は意外に重要かもしれませんね.
 川の氾濫も昔はもっと頻繁にあって,それによって淡水魚などは,川と川の間で交流ができていたのでしょう.今はそれぞれの川で個体群が孤立してしまって,遺伝学的にはあまり健全でない状態かもしれません.

自然災害の意味 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.05.15 22:18 
  • [編集]
自然災害は防ぐことばかり考えられていますが、
災害の結果として生じる明るい面はあまり論じられませんね。

そういえば古代エジプト時代には、洪水によって土地が肥沃になったのでしたっけ。

>ある種の植物の種子は,山火事を経験しなければほとんど発芽しない
ということは、山火事がなければ絶滅してしまうこともあり得るということですね! 

>淡水魚などは,川と川の間で交流
考えたことがなかったのですが、たしかにそうですね。
とくに河口堰などができてしまうと、生息地も限られてしまうことになりますものね。
絶滅しかかっている淡水魚が多いというのは、それも原因なのでしょうか?

昔、誰かが地上はすべて自然生態系として残し、人間は地下に住むべきだ! などと
言っていましたが、ときどきそうすべきかも、と思ってしまいます。
もっとも地下数千mにだって生態系が存在しているのですよね。うーん、困りものだ^^;

あぁ,ブラックホールが... 

  • Ladybird 
  • URL 
  • at 2008.05.17 22:22 
  • [編集]
>ある種の植物の種子は~
 私は頭の中にもブラックホールがあるらしく,何の話だったのか思い出せません.もちろん「山火事を経験してはじめて次の世代を生じる」植物というのはあります.
 どこかで混線してしまったのかも.

見つけて~ 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.05.18 23:59 
  • [編集]
Ladybirdさん
ちょっとブラックホールに吸い込まれてみようかしら。そこで何が見つかるかな~ワクワク。
…でもブラックホールに吸い込まれたら、形が残らない…

>「山火事を経験してはじめて次の世代を生じる」植物
山火事がないと絶滅してしまうかもれない…?

とりあえず 

  • Ladybird 
  • URL 
  • at 2008.05.19 11:19 
  • [編集]
 こんなHPを見つけました:
http://www.htokai.com/gallery/plants/u-kaji.html
 いろいろ探してみたいのですが,植物関係の資料が手近にほとんどないので,あやしげな記憶に頼ってしまいがちです.すみません.
 ブラックホールの中は私も覗いてみたいと思います.忘れてしまったこと,忘れたかったこと,人それぞれに,いろんな物が出てくるでしょうね.

バンクシア 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.05.19 23:18 
  • [編集]
探してくださったのですね。ありがとうございますm(_ _)m
バンクシア、って焼けたところが松かさみたいですね!
で、口がぱくぱく開いているのって操り人形みたい。これそのままカスタネットになりそう。

火事のときのみ、実が飛び散るとすると、バンクシアの密度で
過去にいつ山火事が起こったかわかる、と。
というより、バンクシアが存在すること自体が山火事が頻繁である証拠なのでしょうけど。

>忘れてしまったこと,忘れたかったこと
おもしろいけど怖いかも。
忘れたかったことを思い出すことはかまいませんが、
記憶の改竄を目にするとショックかもしれない(笑)

自然はつねに変化する 

山火事に遭わないと種が飛ばず芽吹かない植物というのは,いつかテレビで見た記憶があります.不死鳥みたいでおもしろいですね.
自然を「守る」というのが変化を押しとどめることだとしたら間違ってるし不可能です.富士山のあの姿も数百年の間にさえ変化してきたものですし,これからも変化するでしょう.
磐梯山が噴火で形を変えたり,上高地に天然ダムの大正池ができたり,北海道の平地に昭和新山が現れたり,近い過去の間にさえさまざまな変化があります.

気のいい火山弾 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.05.20 22:26 
  • [編集]
三ねんせいさん
>近い過去の間にさえさまざまな変化
本当にそうですね。セントへレンズ火山も写真で見ると富士山型の姿でしたが、
1980年代の噴火で山体が崩れてしまいましたね。

宮沢賢治の『気のいい火山弾』をちょっと思い出しました。
火山弾が風雨にさらされてはじめてその上にコケが生えてくる、という。

ところで、“変化”では二酸化炭素問題も気になっています。
火山がいちど噴火すれば、それは人間の排出する二酸化炭素より
はるかに多いはず(どこかに資料があるはずなんだけど出てきません)。
そういうものを止めるわけにはいかないし、過去に二酸化炭素濃度が
現在の10倍も高い時代があったのだから、
今後も自然現象によって二酸化炭素濃度が高くなることはあり得るはず。

地球温暖化問題を政治的に解決しようと主張する人々は
そのあたりをどう考えているのか、どうもよくわかりません。

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