ひねもすのたのた

とりあえず日常かな

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ハコやモノに金を費やす前に…

以前、放射線治療の専門医と話をしたことがある。
ちょうどガンの治療で、陽子線治療とか、炭素線治療が話題になり、
いくつかの施設で建設しはじめたころだったので、
何やらすごい装置だそうですね、と聞いてみた。

すると、ひどくしぶい顔をされた。
「まあね、でもあれは本当はそんなに必要ないんですよ」
なぜかとたずねると、
「ほとんどの治療は、いまある装置で十分。きちんと治療計画を立てれば、
ああいう最新の装置を使ったものと遜色ない結果が得られるはずなんですけどね」

たしかに副作用などに違いがないわけではない。
だが、多くの場合、決定的な差ではないそうだ。

「それより、いまある装置を使いこなせる人間が少ないってことが
本当は大きな問題なんですよ」

いまはどうか知らないのだが、当時は地域の大きな総合病院でも、
常勤の放射線療法医がいないことは少なくなかったそうだ。

医療費削減、などという標語がかかげられてずいぶんになるけれど、
やっていることは医療従事者――人間――をぎりぎりと締め付けるだけ。
こういうモノやハコを買うとか建設することに対しては
削減しようという気がないように見えてしまう。

設備や装置を最先端にすれば、すべてOK、
何もかもがうまくいく、と思っているらしい。
実際には、それを使える人間がいなければどうにもならないのに。

財政再建団体に陥りそうな赤平市は、市立病院の赤字が蓄積している。
先日、クローズアップ現代を見ていたら、この病院はもともと国から補助金が出るということで、
大幅に増築したそうだ(1994年)。

ところが、その後、医療制度改革なるものにより、医局の医師派遣制度が廃止され、
医師が減る。と同時に患者も減少。

もともと人口1万4000人という小さな町が、
こんな大きな病院を抱えて立ちゆけるはずはなかった。
それより人間を大切にすることを考えなくてはならなかったはずなのに。
結局、国が破綻に追い込んだようなものだが。

先日の海堂尊氏のブログを見つけたが、
それによれば、厚生労働省は救急医療対策に7億円を緊急拠出するそうなのだが、
そのうち6億3000万円は、コーディネートシステムを拡充するために使用するとのこと。
人間じゃなくて、システムですか?

それから、これ、、、救急患者受け入れコーディネーターを救命救急センターに配置する、とある。
そのコーディネーターは専門的な高レベルな判断を必要とするため、
原則として医師がつとめるんだそうだが、、どこにその医師はいるんでしょう?

北海道の産科医は1996年には439人、2004年には395人に減少しているんですけどね
(実際に分娩に携わっているのは2005年で316人とか)。

  • [No Tag]

Comment[この記事へのコメント]

やっぱり、「医」だ。 

リンク記事を含めて拝読しました。
(但し、私はちゃーんと理解できているかどうか・・・)
厚生労働省は、リスクに対して余りにも頓珍漢と思わざるを得ませんでした。
これが、「変化する技術環境」と「人の環境」のミスマッチ、と言う事態なのでしたら、まだ理解できます。(医療とは背後を異にしますが、「JR福知山線事故」に於いて、これを「イノベーション・ホール」と表現された研究者の方もいらっしゃいます)

しかし、そもそも人がいないとは。

経済効率優先や技術・組織も含めた環境の改善で、何とかなる産業も、まあ確かにあるとは思いますが、しっかし医療までもがなんでこうなっちゃうのだろう。

「医療崩壊」。言葉ではよく耳にします。しかし、日々健康体であれば問題意識も低く、よって関心も薄い。これもマズイのかもしれない。

NoTitle 

  • Ladybird 
  • URL 
  • at 2008.02.27 13:13 
  • [編集]
 最先端の医療機器は高額で,そういうものを全病院が備えるのは不可能.だから病院間の連携が必要なんでしょうね.
 病院間での多少の分業も必要かもしれません.ホームドクターと専門医の分業というような方向をめざそうと,開業医からの紹介状があれば総合病院の初診料をタダにする(正確に憶えてないけど)というような制度も導入されたようですが,今は総合病院も経営上の理由で初診大歓迎でしょう.
 行き当たりばったりの「改革」を連発して,とうとう医療崩壊.日本国民ももう少しマシな政治家を選ばないといけないということではないでしょうか.

補助金の使い道 

  • ×第二迷信 
  • URL 
  • at 2008.02.27 21:03 
  • [編集]
 たとえば、農業予算でも、「釣堀漁港」とか「農道空港」だとかいう、利権にあずかる人のいる事業にはお金が出るけれど、生産者価格保障のような「末端で実効のある」お金はなかなか出ない。

病院を大型化したら、「高い機械」を使う頻度が増やせるから、と、中小病院を集約する。
(「民営」にしたら、葬儀業者が営業で救急車を運転手つきで寄付してくれるかもしれない)

さすがに、Drを派遣してくれる葬儀屋はない
(いても、「セ●マのDr」なんかに命を預けられまいが)

※今は、「紹介状のない患者は余分に支払いがいる」、という状態ですね。「少々のことでいちいち大学病院に来るな」という扱い。

医療に経済効率はいらない 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.02.27 22:02 
  • [編集]
札幌運転所隣人さん

私もきちんと理解しているとは言い難いんですけれども。

>厚生労働省は、リスクに対して余りにも頓珍漢
ですよね。
医療でいちばん必要なのは人間の手です。
そして、人間の手が絶対的に必要なもの(原理的にもうからないもの)に
経済効率主義をもちこんだら、うまくいかないことは当然だと思うのです。

折しも札幌では産婦人科の医師たちが4月から二次救急を受け入れないと
表明したそうですね。
北海道の医師の大半が集まる札幌でこういう状況に陥るということは、
明らかに厚生労働省の方針が間違っていることを示しているように思います。

>日々健康体であれば問題意識も低く、よって関心も薄い
私だって、子供を産んで間近に医師不足を感じなければ
危機感を覚えなかったかもしれません。
知らないことは罪だ、と自分自身について思います。

ところで、札幌はずいぶん降ったようですね。
こちらは今日は10cmほどで雪かきも楽でした。

本当にいきあたりばったり 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.02.27 22:14 
  • [編集]
Ladybirdさん
かかりつけ医制度でしたっけ?
その辺あまり勉強してないんです~ ちゃんと勉強しなくては。。。。

>行き当たりばったりの「改革」を連発して,とうとう医療崩壊
腹が立つのは、医師たちはきちんとこの状況を予想して、
こんなの改革ではない、と主張していたのに、国民が(というより私が)だまされてしまったこと。

別に医療制度改革に賛成したわけではありませんが(自民党に投票したことないし)、
とくに悪いこととも考えていなかった自分をなぐりたいっ!

補助金ってなんだろう? 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.02.27 22:30 
  • [編集]
×第二迷信さん

>「釣堀漁港」とか「農道空港」
ふえ??? これ、何か役に立つのでしょうか?
それよりはいまの農家が農業を続けられるような
補助金の使い方を考える方がずっと重要なはずですよね。
日本の食糧自給率は低いんですから。
(ところで中国産のものがスーパーで売られなくなっていますが、
食品がとんでもなく高騰するのではと不安になっている私)

>中小病院を集約する
北海道もするそうなんですが。。
患者をどうやって運んでくるのか、という問題があります。
さらにいえば、医師をどこからかき集めるのさ、という。。。。

>Drを派遣してくれる葬儀屋
えーん、こわいよー
葬儀と介護はいっしょにやってるところがありそう。。。

医師会 族議員 

  • ×第二迷信 
  • URL 
  • at 2008.02.27 22:33 
  • [編集]
>医師たちはきちんとこの状況を予想して、
こんなの改革ではない、と主張していたのに

「医師会」出身の議員が「賛成」してるんですから、素人が騙されるのもどうしようもない…
(農政族議員もそんなもんだろうが、医学部OBみたいな「かしこい」人たちが…)

えええ~ 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.02.28 00:06 
  • [編集]
> 「医師会」出身の議員が「賛成」
そ、そうだったんだ。。。
だまされただまされただまされた~キイイ

NoTitle 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.02.28 09:08 
  • [編集]
↑でも、やっぱりだまされたことに反省です。

NoTitle 

  • 村野瀬玲奈 
  • URL 
  • at 2008.02.28 17:29 
  • [編集]
>明らかに厚生労働省の方針が間違っていることを示しているように思います。

そうだそうだ!

頭を使って節約すべきところを浪費し、少しのお金を惜しむべきでないところを思い切り削る。それらの誤りの集大成が今の日本の政治ですね。

自分の投票行動が政治の失敗となって跳ね返ってくるということの典型的な例ですね。

えあしゃさんらしいマジマジな記事、ありがとうございます。

やっぱ、「トキよりカネなり」で 

  • ×第二迷信 
  • URL 
  • at 2008.02.28 19:04 
  • [編集]
>「釣堀漁港」とか「農道空港」
ふえ??? これ、何か役に立つのでしょうか?

土建業者(ムネオ贈賄で逮捕されたのもそのうち)がもうかります。
「農業予算をこれだけ取ってきてやったぞ」という族議員の手柄も)


>患者をどうやって運んでくるのか、という問題があります。

だから、道路特定財源を使って高速道路を作るんだって、某F柴大臣が・・・。

>葬儀と介護はいっしょにやってるところがありそう。。。

岡山発の「ベ●ッセ」は、少子高齢化にあわせて、老人ホームの経営も始めてるから、そのうちに…?
(ゆりかごから墓場まで、一貫サービスで)

予算と決算 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.02.28 22:07 
  • [編集]
玲奈お姉様

>頭を使って節約すべきところを浪費し、少しのお金を惜しむべきでないところを思い切り削る

そうですよね! 札幌の二次救急の問題はその代表だと思います。
二次救急が14から9に減っているのに、市側の対策がまるでなしでは、
産科医も怒ります(産科医側の要望は金がないからだめと言われたらしい)。

ところで、無駄遣いをどうにかするために
お役所的「予算はしっかり、決算はいいかげん」をまずどうにかしてほしいですよね。

NoTitle 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.02.28 22:13 
  • [編集]
×第二迷信さん
土建業者には申し訳ないけれど、土建業者は増えすぎてしまったのですよね。
高度成長期と同じだけ仕事があるわけはないのですから、
何か別の仕事を考えなければいけないと思います。
仕事の創出って難しいですけどね。。

>だから、道路特定財源を使って高速道路を作るんだって、某F柴大臣が・
言ってましたね。。
それより北海道はドクターヘリだと思うけど。天候の問題はありますが。

>ゆりかごから墓場まで、一貫サービスで
…これはあまりうれしくない。。。
ちなみに、しまじろうはキライですが、
ベネッセは女性がたいへん働きやすいという珍しい企業だそうです。

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